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レポート

2023年2月8日

著者:
Antonie C. Fountain (Voice Network),
著者:
Friedel Hütz-Adams (Südwind Institut)

カカオバロメーター2022:カカオ産業が抱える課題の解決には、政府の政策と企業の購買行動の変革が不可欠

[ 2022年版カカオバロメーターの要約(日本語版)を初めて発行〜カカオ産業が抱える課題の解決には、政府の政策と企業の購買行動の変革が不可欠〜 ] 2023年2月8日

[...]認定NPO法人ACE(東京都台東区、代表 岩附由香)は、チョコレートの原料カカオの生産における児童労働の撤廃をめざし、日本国内のステークホルダーとの連携に加え、国際的なルールメイキングにおける重要なアクターへの働きかけを強化してまいりました。

ACEはこの度、持続可能なカカオ産業の実現をめざす24の市民社会組織や貿易連合で構成されるネットワーク VOICE Networkの会員とともに、カカオ産業が抱える課題に関する共同報告書「Cocoa Barometer 2022 (以下、2022年版カカオバロメーター)」を発行し、当報告書エグゼクティブサマリー日本語版を発行いたしました。

カカオ農家とその家族は、児童労働、ジェンダー不平等、(乳幼児の)栄養不良、教育へのアクセス不足、医療施設や衛生設備の不足、小農や労働者、小作人の人権侵害など、未ださまざまな課題に直面しています。これら課題の根底には、カカオ農家の貧困があり、カカオ農家の収入をいかに「生活所得」(生活に最低限必要な所得の水準)に到達させるかについて、近年国際的な議論が重ねられています。また、森林伐採や気候変動などの環境問題も、依然として大きな懸念材料となっています。

2022年版カカオバロメーターでは、世界のカカオのサプライチェーンが抱える課題は、カカオ豆の取引価格の引き上げを組み合わせて取り組まなければ根本的な解決が難しいとしています。 貧困対策としてカカオの増産をめざすカカオ生産国内外の政府によるトップダウンの戦略は、チョコレート産業を支援する一方で、むしろカカオ農家にとっては必要な資材や労働などのコストが増えるため、手取りの収入は減ってしまうことが調査によるデータで明らかになりました。これに加えて、生産国における物価の高騰も、西アフリカのカカオ農家の生活をさらに圧迫しています。もはや、カカオの生産性向上と収入手段の多様化をめざした支援策だけでは生活所得のギャップを埋めることは難しく、カカオの取引価格の引き上げなしには、農家の収入向上への最終的な効果は望めないことがわかりました。

[...]

過去20年間、カカオセクターでの支援内容のほとんどは、農家自身に焦点を当てたもので、持続可能性にかかる課題に取り組むために必要な政府の政策や購買慣行の改革には手が付けられないままでした。本報告書では、課題解決のためには、公的機関による政策の改善、民間企業による購買活動の改善、農家による農業実践の改善の、3つの側面で行動を起こす必要があると結論づけています。

その中で、カカオを含むグローバルなサプライチェーンにおける環境及び人権侵害の予防と是正を目的とした人権デュー・デリジェンスをはじめとする「ビジネスと人権」の取り組みは、より透明性の高いサプライチェーンの実現に向けた第一歩として歓迎されるものです。これは、企業が調達慣行について説明責任を果たすために不可欠なものですが、このような前向きな政策展開も企業がすぐに行動を起こさなければ、最終的には無意味なものになってしまいます。

児童労働の撤廃に向け、ガーナのカカオ生産地での直接支援や企業との連携、国際的な提言活動に長年取り組む、ACE共同創業者で副代表の白木朋子は、「カカオ産業での児童労働の解決のためには、日本国内の企業との連携に加え、グローバルレベルの重要なアクターを動かしていくことが重要だと感じ、2021年10月にVOICE Networkに加盟した」と述べ、「国際レベルでの課題認識を日本語に翻訳して届けることで、日本でも課題に対するより深い理解を促進し、政府、企業、市民社会組織などが各立場に応じたアクションや具体的な連携を進めることに役立てたい」と期待を込めて呼びかけています。

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