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2024年8月28日

著者:
Climate Home News

EU:化石燃料を使用する飛行機や船舶をグリーン認定したことをめぐり、環境団体がEUを提訴

[EU hit with lawsuit over green labelling of aviation and shipping investments] 2024年8月28日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]

欧州連合(EU)が化石燃料で動く航空機や船舶をEUタクソノミーに加えたことを理由に、環境NGOの5団体がEUを提訴した。

EUタクソノミーは持続可能性に貢献する経済活動のリストであり、ネットゼロを目指す事業に民間投資を誘導するための指針である。

欧州委員会は2023年後半にタクソノミーに航空・水運事業を追加した。

これを受けて、NGOの5団体は、EUが化石燃料を動力源とし、環境を汚染する航空機や船舶をグリーン投資の対象リストに加えたことに異議を唱え、EUタクソノミーの航空・水運事業のサステナブル投資の基準には「欠陥がある」と主張し、ルクセンブルクの欧州司法裁判所に提訴した。

訴訟を起こしたNGO連合は、化石燃料で動く航空機や船舶が「弱い」効率性基準を満たしていればグリーン認定されるという「緩い」ルールを2023年に導入したことは違法だと訴えている。

この訴訟は、オポチュニティ・グリーン、CLAW(気候正義イニシアチブ)、ドリアード(Dryade)、POW(Protect Our Winter)およびオランダのNGOであるフォッシルフライ(Fossielvrij)の5つのNGOが共同提起したものだ。

オポチュニティ・グリーンの法務ディレクター、デビッド・ケイ氏は「航空と水運に関する基準は、投資家に完全に誤ったメッセージを送っており、これは今後数十年にわたって環境に悪影響を及ぼす航空機や船舶に投資を誘導するものだ」と述べた。

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排出削減量はごくわずか

欧州委員会は、CO2排出量ゼロの航空機や船舶は技術的にも経済的にもまだ実現可能ではないとして、航空と水運を「トランジション」(脱炭素への移行)分野とし、既存の技術が一連の効率性基準を満たせばタクソノミーに適合するとみなす「技術的スクリーニング基準」を設定した。同委員会は、この基準は地球温暖化を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標達成に貢献できると述べている。

しかし環境保護NGOは、これらの基準値が広すぎると主張し、科学的根拠に基づくものではないと指摘している。たとえば、液化天然ガス(LNG)を燃料とする巨大クルーズ客船や、エアバスの化石燃料のみを動力源とする今後の納入機7,000機以上(これは同社の将来的な受注量の90%に相当)が、EUの分類では「持続可能」とみなされることが、環境NGO「交通と環境(Transport and Environment)」による分析で明らかになっている。

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