フィリピン:下院、人権擁護者を保護する法案を可決
[ House passes bill protecting human rights defenders ] 2022年1月17日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
1月17日(月)、下院は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の下で誹謗中傷や攻撃を受けたフィリピンの人権擁護者の権利と自由を定義し、保護することを目的とする法案を可決した。
計200人の議員が、下院法案10576号「人権擁護者保護法(Human Rights Defenders Protection Act)」を第3読会および最終読会で承認した。反対票や棄権票を投じた者はいなかった。
この法案は、法律として成立した後、人権擁護者が享受すべき17の権利と自由を明文化している。 その中には、活動を理由とする脅迫や報復からの自由、国際機関や地域機関を含む組織と連絡を取る権利も含まれている。[...]
法案はまた、国家の義務を強調し、特に、擁護者の権利と自由が保証、保護され、彼らが「制限のない安全で実現可能な環境」で働くことを「公的機関は確保するためにあらゆる必要な措置を講じなければならない」と加えている。
また、可決された法案は、市民社会団体が推薦し、人権委員会(Commission on Human Rights、CHR)が任命するメンバーで構成される「独立合議体」である人権擁護者保護委員会(Human Rights Defenders Protection Committe)を設置する。[...]
2021年8月時点で、人権団体・カラパタンは2016年7月以降に発生した421件の殺害事件を記録しており、また、殺害未遂事件も504件記録している[...]。
下院が人権擁護者を保護する法案に賛成したのは、今回が初めてではない。2019年6月、議員らはすでに同様の法案を可決したが、上院が当該法案を可決しなかったため、成功しなかった。[...]