日本:KnowTheChain、日本企業の強制労働対応を評価
「日本企業の強制労働リスク評価、ソニーだけが高得点」 2020年6月8日
サプライチェーンにおける強制労働に関する情報を企業や投資家に発信しているKnowTheChainが、日本企業10社を含む大手エレクトロニクス企業49社の強制労働への対応状況を評価した情報通信技術(ICT)部門ベンチマークの最新結果を発表しました。KnowTheChainは、国際NGOやESG調査・評価会社などのパートナーシップにより活動しており、国連ビジネスと人権に関する指導原則に基づき、企業のサプライチェーンにおける強制労働への対応状況を評価しています…
新型コロナウイルスの蔓延が状況を悪化させており、工場の生産停止や感染リスクの高い労働者の宿泊設備、政府の保護対象から外れる移住労働者といった問題が発生しています。新型コロナウイルスがサプライチェーンに与えた影響によって高まっている労働者の人権リスクに対して、ほとんどの企業は対応が不十分であることが分かりました…
日本企業10社のうち、全体平均を上回ったのは、ソニーのみとなりました。日本企業の平均スコアは18点と全体平均を大きく下回り、アジア勢の中国(3社)、韓国(2社)、台湾(3社)の平均と比較しても、韓国の41点、台湾の21点を下回っています。
日本企業は、方針や体制に関する項目のスコアは高いのですが、その他の項目についてはのきなみ低いという結果となりました。10社とも強制労働への対応の意思を示し、サプライヤー規範にも含めていますが、結社の自由や団体交渉権を保障する具体的な取り組みをしている企業は1社もありませんでした。
また、7社がサプライチェーンの労働者が苦情を申し立てるための苦情処理メカニズムを導入、または、サプライヤーに対応を要求していますが、サプライヤーの労働者が実際に申し立てをしていることを示した企業はいませんでした。
日本政府によるビジネスと人権に関する国別行動計画の策定が進む中、日本企業でも各社が方針に掲げている内容をどのように実践するかが課題となっています…
[記載されている企業:ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、HP、サムソン、インテル、アップル、デル、マイクロソフト、日立製作所、任天堂、村田製作所、東京エレクトロン、キャノン、パナソニック、HOYA、京セラ、キーエンス]