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記事

2022年11月15日

著者:
Emsie Ferreira, Mail & Guardian (S. Africa)

南アフリカ:憲法裁判所がスラップ訴訟を訴権の濫用と判断、風評被害に対する企業の損害賠償請求権を制限

[Concourt holds that SLAPP suit defence exists in South African law] 2022年11月15日

[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]

憲法裁判所は高裁の判決に対する鉱工業者の上訴を支持した。これは、環境保護団体が現地でのスラップ(SLAPP)訴訟(市民参加を妨害するための戦略的訴訟の略)の反訴に成功した初めての事例である。しかしながら、この判決では東ケープ州ワイルドコーストのXolobeni鉱山におけるチタン採掘反対派が、オーストラリアの鉱山会社Mineral Commodities Ltd (MRC) とその現地法人Mineral Sands Resources (MSR)、元役員のマーク・カルーソ、地元のブラック・エンパワメントパートナーのザマイル・クンヤから総額1400万ルピーの中傷請求を受けていることから、実質的には法廷での敗北という見方が強い。

最高裁判所の判事らは、南アフリカの慣習法によってスラップ訴訟の反訴は可能であることを確認した。その一方で、環境弁護士のクリスティン・レッデル、トレーシー・デイビス、コーマック・カリナン、ソーシャルワーカーのジョン・クラーク、活動家のムザモ・ドラミニ、環境NGOのWild CoastとWest Coastの代表でダヴィーン・クロエテの6名は、彼らの反訴が適切な支持を受けなかったと非難している。彼らの主張によると、被告はスラップ訴訟の反訴を主張したり提出書類の中で反訴を支持したわけではないものの、反訴については認知していたという。

[ … ]スラップ訴訟の反訴は南アフリカの法律には存在しないと主張するMSRとその他の申請者が提起した例外に関する主要な申し立ては、裁判所により却下された。裁判官マジエット氏は「スラップ訴訟の反訴が我々の法律の一部を形成していることを確認した」と述べ、申し立てを訴権の濫用と位置づけた。「反訴を成立するためには被申立人が主張した内容以上のものが必要であるが、この反訴は我々の法律の中で重要な位置を占めており、申請者は抵抗に失敗したのである」と同氏は述べた。 [ … ] 裁判所は、環境保護団体に対して特別反訴を訂正するために30日間の猶予を与え、それが不可能な場合には特別反訴を棄却し、費用の60%を鉱山会社が支払うよう命じた。多数決を受けてマジエットは、企業が名誉毀損に対して一般的な損害賠償を請求する権利を認めた。その一方で、申し立てられた名誉毀損が公共の利益に関する問題の公開討論の一部に該当する場合には、裁判所はその裁量で申し立てを拒否することができると判示した。