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オピニオン

2023年6月8日

著者:
by Marian Ingrams & Katharine Booth, OECD Watch; and Joseph Wilde-Ramsing, SOMO

改訂情報:OECD多国籍企業ガイドラインの強化に向けたアップデート

[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]

2023年6月8日、OECDは最新版の多国籍企業ガイドラインを発表しました。新たに「責任ある企業行動に関するOECD多国籍企業ガイドライン」と改名された今回の更新では、トレードオフと妥協が避けられない状況にありました。OECDウォッチは、新たなガイドラインに盛り込まれた内容は前向きなものであると考えています。ガイドライン改訂の大部分は、責任ある企業行動(RBC)に関する重要な世界基準を強化するものでした。今回の更新では、多くの分野においてRBCに関する主要な国際規範が強化されており、いくつかのテーマにおいて従来の規範基準を進展させるものになりました。

OECDのガイドラインは、欧州および世界におけるデューディリジェンス義務化法案の基礎となるものです。デューディリジェンス義務化法案の発展における重要な局面を迎えている中で、今回のガイドライン改訂は絶好のタイミングで実施されたと言えます。

欧州議会が最近採択した見解では、環境問題に関するデューディリジェンス義務に含まれる要素に関して、OECDの先導に従うことを提案しています。そのため今回の改訂は、欧州サステナビリティデューディリジェンス指令案の強化にとって極めて重要なものとなります。

ガイドラインの主な改訂内容

OECDウォッチは、人々や地球に対する危害について、企業に責任を負わせる権利者や市民社会の能力強化に関して、最も重要な改訂事項を取り挙げています。

  • 気候変動と環境への影響:気候変動、動物福祉、生物多様性、森林破壊、公害、その他の環境問題への悪影響を特定し、デューディリジェンスを通じた適切な対処が期待出来るようになりました。ガイドラインの気候変動に関する詳細な文章は、温室効果ガス排出を考慮した緩和目標の採択と監視を明示的を要求する(スコープ1、2、3)というパリ協定との整合を図っています。また、カーボンオフセットの利用推奨や完全性を確保など、他の気候変動に関する懸念事項も取り上げています。
  • 公正な移行:公正なエネルギー転換を実現するために企業が持つ責任を認識するとともに、化石燃料からの脱却と再生可能エネルギーへの転換の両方において、社会と環境への被害の回避と対処を企業に要求しています。
  • 有意義なステークホルダー・エンゲージメント:本ガイドラインは、企業に対して、すべてのステークホルダー(特に影響を受ける人々)にとって害を及ぼす可能性のある事業活動について、有意義に関与することを求めています。エンゲージメントは、双方向で、誠実に行われ、ステークホルダーの意見に応え、タイムリーで、アクセスしやすく、適切で、安全であるべきです。また、エンゲージメントへの障壁を取り除くために適応される必要があります。
  • 疎外性、脆弱性、交差性: 本ガイドラインは、社会から疎外されたグループや脆弱なグループへの悪影響に特別な注意を払い、各グループの特性によって直面する可能性のある交差的リスクを考慮することを企業に要求しています。
  • 人権擁護者への対応: 人権擁護者に対して報復を行わないこと、自社および取引先企業の業務における報復被害に対処すること、安全な空間の推進を支援することを企業に要求しています。
  • バリューチェーンで働くすべての人の権利の尊重: 労働組合の結成や団体交渉の権利など、企業の従業員だけでなく、バリューチェーンで働くすべての労働者の権利を尊重するよう企業に求めています。
  • 科学技術関連の影響に対するデューディリジェンス:本ガイドラインは、デューディリジェンスへの期待をデジタル分野に明示的に拡大しています。企業がテクノロジーとデジタル化に関連する悪影響を特定し、対処することを要求しています。
  • デューデリジェンスの下流への適用: 消費者やユーザーによる影響も含め、バリューチェーンの上流から下流まで、企業がデューデリジェンスを実施する必要性を明示しています。
  • 責任ある撤退: 新ガイドラインは、企業がビジネス関係からの撤退を検討する際に、責任を持って行動しなければならないことを明記しています。これには、権利者との有意義な協議や離脱に関連する潜在的な悪影響への対処が含まれます。

さらなる指針と制限が必要な分野

いくつかの分野では市民社会が求めていたほどにはガイドラインの更新が進んでいません。OECD ウォッチは、デューディリジェンスの一環として、特に先住民族、人権擁護者、女性、その他の権利保持者をはじめとする脆弱な人々や孤立しているグループとの効果的な関与に関係するためのガイダンスの改善を引き続き主張していきます。

今回の改訂における最大の失敗は、ナショナルコンタクトポイント(NCP)の仕組みを通じてガイドラインの実施状況を改善する機会を設けなかったことです。NCPはガイドラインの効果的な実施に不可欠ですが、その存在はこれまでほとんど意味を持ちませんでした。改訂版ガイドラインにはNCPに対するいくつかの追加提言が含まれていますが、これらはほとんどオプションに留まります。NCPの実効性が保証できないということは、OECDガイドラインに沿ったデューディリジェンスを義務付ける法律がこれまで以上に早急に必要であることを意味します。

本年後半、OECDウォッチは市民社会向けに、ガイドラインの主な変更点や、苦情申し立て、RBC政策や法律改善のための提言、企業や投資家との関与において改訂版ガイドラインを最も効果的に利用する方法に関する詳細なガイダンスを公開する予定です。

by Marian Ingrams, Director, OECD Watch; Katharine Booth, Researcher and Policy Advisor, OECD Watch; and Joseph Wilde-Ramsing, Director of Advocacy, SOMO

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