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オピニオン

30 8月 2022

著者:
Patrick Lee, Legal Consultant, Center for Alliance of Labor and Human Rights (CENTRAL)

日本の人権尊重のための新ガイドライン、グローバルサプライチェーンにおける人権尊重を促進する上で、真に効果的であるための効力が欠如

Nick Youngson CC BY-SA 3.0 Alpha Stock Images

[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]

日本政府が、日本で事業を行う企業による人権尊重の向上を真に望むのであれば、新ガイドライン「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン」は、グローバルサプライチェーンにおける労働者への救済措置に同等の責任を負うべき大企業を法的に拘束するものとされるべきです。

新ガイドラインは、日本国内で事業活動を行うすべての企業(個人事業主を含む)に対し、人権方針の策定、人権デューディリジェンスの実施、人権への負の影響が生じた場合、または助長された場合の救済を要請しています。本ガイドラインは、海外のサプライチェーンを含め、グローバルに適用されるものです。国際人権章典や国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」に示された基本的権利に関する原則に含まれた全ての権利を対象としています。特に、ある国の法律や規制、執行が人権を適切に保護しない場合でも、企業は「国際的に認められた人権を最大限尊重する方法を追求する」必要があるとガイドラインは定めています。これは、一般的に海外にサプライチェーンがあり、法の支配が弱いことが多い製造業国において、極めて重要なことです。

ガイドラインでは、救済措置についても言及しています。救済は「謝罪、原状回復、金銭的又は非金銭的な補償」となり得ます。本ガイドラインでは、企業が人権への負の影響を及ぼした、あるいは及ぼした一因であると認識する場合、その企業は救済措置を実施するか、あるいは救済措置の実施に協力すべきであると述べています。しかし、事業が「 負の影響と直接関連しているにすぎない場合 」、ガイドラインでは、企業は救済措置を実施する責任を負わないとしています。むしろ、負の影響の防止や緩和のために、企業が持つ影響力を活用したり、その他の支援を提供することだけが求められています。これは、サプライヤーが購買企業の所有ではないグローバルサプライチェーンのほとんどをカバーしていると思われます。例えば、日本の大手衣料品メーカーであるファーストリテイリングは、最新の衣料品工場・加工工場リストに、バングラデシュ、カンボジア、中国にある合計60の工場の名前を挙げています。しかし、ガイドラインによると、ファーストリテイリングは、これらの工場における人権への負の影響は、単に同社に「直接関連」しており、実際には工場自体に起因しているため、労働者に何らかの救済を提供する責任はないようです。そのため、ファーストリテイリングは、インドネシアの Jaba Garmindo 工場の労働者に対す る 550 万米ドル、カンボジアの Monopia 工場の独立組合リーダーの解雇とその後の刑事告発に対して、 本ガイドラインによると、同社は責任を負わないようです。ファーストリテイリングにとっては、非常に都合の良い結果となります。グローバルサプライチェーンにおいて工場を直接所有し、そのため企業自身が人権への負の影響を引き起こした、または助長したということがより明確な企業にとっては、状況は異なるかもしれません。

しかし、上記のようなケースにおいて、ファーストリテイリングのような企業が責任を負うか否かに関わらず、ガイドラインには法的拘束力がないため、ほとんど意味がありません。また、ガイドラインを遵守しない企業に対する制裁や罰もありません。これは、本ガイドラインが個人事業主を含む日本国内のすべての事業者に適用されるという極めて広い範囲を対象としているため、ある意味、理解することができます。実際、個人事業主や中小企業、さらには多くの中堅企業が、完全に遵守するために必要な資源を持ち、特に人権の尊重に意味のある影響を与えることを期待するのは、全く非現実的でしょう。しかし、ファーストリテイリングのような大企業には、コンプライアンスを遵守するためのリソースがあることは確かです。また、ファーストリテイリングのような大企業のグローバルサプライチェーンは、個人事業主や中小企業とは比較にならないほど人権に負の影響を及ぼす可能性が高いため、このガイドラインのような規制の試みに対しては、大企業に対して法的拘束力を持たせることが道徳上必要となります。そうでなければ、企業はコンプライアンスを遵守しませんし、遵守したとしても、それは表面的なコンプライアンスであって、実際の精査には耐えられないし、実質的なインパクトもありません。大企業は、企業の社会的責任と人権デューディリジェンスの場に引きずり込まれているため、自主的なガイドラインに完全に準拠するためにそれ以上のことをする企業は、例外であり、当然起こり得る法則ではないでしょう。

この新しいガイドラインは非常に良い意図を持っているように見えるが、特にグローバルなサプライチェーンにおける労働者の人権尊重に大きな影響を与えると考えるのは、単純すぎる見方です。日本政府が本ガイドラインの実施によって期待する真の意味でのプラスの効果は、大企業が、それを怠れば厳しい民事制裁を受けるという脅威のもと、法的に遵守を強制されたときにのみ現れるでしょう。それまでは、Jaba GarmindoやMonopiaのようなグローバルサプライチェーン労働者は、救済を待ち続けることになりそうです。

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