日本:外国人労働者・技能実習生に対する強制帰国が横行 労働者を従わせるための「労務管理」
『外国人・実習生に対する「強制帰国」の実態 暴力行為や拉致も横行』2020年10月26日
…… 強制帰国とは、実習先の受け入れ企業やその管理団体が、労働法違反などを訴える実習生を、暴力や威圧などによって強制的に空港まで連行し、そのまま帰国させてしまうという行為だ……
この「強制帰国」は日本社会で広く行われており、たびたび問題になってきた。例えば、2007年栃木県のイチゴ農園では、労働条件に不満をもった中国人研修生が労働組合に相談にいったことをきっかけに、イチゴ農園から解雇され、その日の内に、車に無理やり乗せられ成田空港まで「連行」されたのだ。このケースでは、空港で必死に中国人研修生が抵抗し、帰国直前に労働組合の役員が空港に駆け付け、無事に保護された。
また、2008年山梨県のクリーニング工場では、中国人技能実習生6名が労働条件の改善を要求した数日後の早朝、彼女らが就寝中に突然、社長と社員十数名が寮に押しかけ、暴行を加えるなどをして、強制的に車に乗せ、成田空港へ連れていこうとしたのだ。6名中3名は「強制帰国」となり、残りの3名は逃亡し、その後、労働組合に保護された。
さらに、2018年神奈川県の水産加工業者では、ベトナム人技能実習生が管理団体に有給休暇の申し出をしただけで「強制帰国」させられたのである。
……「強制帰国」とは、劣悪な労働条件下で外国人労働者を従わせるための日常的な「労務管理」の一部になってしまっているのである……