米国:マクドナルド、バーガーキング、ウォルマートなど500社以上がアラバマ州囚人を安価な労働力として搾取していると報じられる
[Alabama profits off prisoners safe enough to work at McDonald’s, deems them too dangerous for parole] 2024年12月20日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
[...] アラバマ州は、米国で最も長く、民間企業で囚人労働を利益追求に利用してきた歴史を有する。同州の囚人労働制度は、奴隷制度の代替として始まった残虐な「囚人貸出制度」に端を発し、150年以上にわたり存続している。この制度は、大量投獄の商業化の雛形とも言えるものである。
過去5年間だけでも、アラバマ州の暴力的で過密状態にある刑務所システムから囚人を雇用して働かせた企業は500社以上にのぼる。その中には、ホテルチェーンのベストウェスタンやバーガーキング、バドワイザーの販売代理店であるバマ・バドワイザーなどが含まれる。AP通信が2年間にわたり囚人労働の実態を調査した結果、これらの企業が安価で確実な労働力を利用する一方で、州は囚人の給与から天引きする形で、2000年以降に2億5000万ドル以上の収益を得ていることが明らかになった。
同州の受刑者の大半は黒人であり、その多くは、重労働を課すことが認められている刑務所内で、床掃除や洗濯といった無報酬の強制労働を課されている。加えて、2018年以降、10,000人以上の囚人が合計1,700万時間、刑務所外で働いている。この労働には、市や郡の政府機関、大手自動車部品メーカー、食肉加工工場、ウォルマートのような大手小売業者向けの流通センターでの作業が含まれる。
民間企業で働く場合、受刑者は最低賃金(時給7.25ドル)を得ることができるものの、就労を拒否した場合には、家族との面会禁止や、より警備の厳しい刑務所への移送といった罰則が課される可能性がある。こうした刑務所は非常に危険であり、連邦政府はその環境を違憲であるとして4年前に訴訟を起こしており、現在も係争中である。
囚人の給与は最低賃金から40%が差し引かれ、さらに通勤費として1日5ドル、洗濯代として月15ドルといった雑費が天引きされる。
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多くの受刑者は、施設外で週40時間働き、週末には外出許可を得て監視や電子モニタリングなしに自宅に戻ることが許されている。それにもかかわらず、彼らの釈放が「危険すぎる」として認められないのは、「安価な労働力を搾取、悪用する仕組み」ではないかと批判されている。
受刑者の一人、アーサー・プトメイ氏は、過去6年間で複数の民間企業で働いてきたが、KFCでの低賃金に対する不満を述べて解雇され、その後、2022年に仮釈放を拒否された、と述べている。
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コメント要請を受けた企業のほとんどが応じなかったが、回答した数社は囚人労働プログラムへの直接関与については否定している。
ホームデポは、屋外家具メーカーのワドリー・ホールディングスとのビジネス関係について調査を行うと発表した。[ワドリー・ホールディングスは雇用していた囚人が乗るバンが事故を起こし、2名が死亡する事件をきっかけに、囚人雇用が明らかになっている。] ホームデポは、囚人労働を禁止する方針を有しており、方針違反が確認された場合には適切な措置を講じると述べている。
ホテルチェーンのベストウェスタンは、独立経営ホテルの人事問題にまでは関与していないと主張した。ヒュンダイは、一部のサプライヤーが受刑者を雇用していることを認識しているものの、そうした決定には関与していないと述べた。ホンダは、[アラバマ州で囚人労働を最も多く利用している自動車部品サプライヤーの]プログレッシブ・フィニッシュ社とのビジネス関係について、いかなる形でも認識していないと回答した。
今年初め、トレーダージョーズやカーギル、マクドナルドなどの企業は、囚人労働を統括する政府機関や囚人労働を利用している第三者サプライヤーとの関係を断つか、見直しを進めると発表した。
アラバマ州で囚人を雇用している企業のリストは極めて広範である。
過去5年間だけでも、500人以上の囚人がウェンディーズ、マクドナルド、バーガーキング、アップルビーズなどのレストランで働き、またホテルの清掃、キッチンキャビネットの製造、カーペットに使用される糸の製造、全米で展開するホームセンター「ロウズ」で販売されるドアの製造、大型トラック用トレーラーの製造などを行っている。
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