NGOがSMBCグループの新石炭政策に対する共同声明を発表:パリ協定の遵守を求める
三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)が「気候変動問題への対策強化について」を発表し、石炭火力セクター方針の改定、グリーンファイナンス及びサステナビリティに資するファイナンス目標の改定などを明らかにした。350.org Japan、気候ネットワーク、「環境・持続社会」研究センター、レインフォレスト・アクション・ネットワークの4つの環境NGOは、脱炭素化に向けた一定の方針強化を歓迎するものの、パリ協定と整合的なビジネス戦略としてはなお課題が多いとの認識の下、下記の声明を発表した。
石炭火力セクター方針の改定
方針には明記されていないものの、NGOとのやり取りにおいて、「CCUSやアンモニア・バイオマス混焼等、トランジションに資するものについては支援を検討可としている」と明らかにした。これらの技術はいまだ実用化されてなく、2030年に温室効果ガスを半減するという、パリ協定1.5度目標に必要な中期目標の達成には何ら寄与しない。[...]
投融資ポートフォリオ排出量(Scope3)の把握
[...]電力・石油・ガスセクターのScope3の把握を始めるとのことだが、石炭採掘を含めた化石燃料セクター全般およびパーム油を含む森林関連セクターのバリューチェーン全体に今後スコープを拡大していくことを期待する。また、三井住友DSアセットマネジメントなどの運用会社を含めたグループ全体での取り組みが重要である。
中長期目標は設定せず
[...]昨年同グループが定めた「2040年度に石炭火力発電向けプロジェクトファイナンスの残高をゼロにする」という目標は、パリ協定に整合するために、石炭火力セクターのコーポレートファイナンスにも適用を拡大し、より早期に実現されなければならない。また、石油・ガス、およびパーム油を含む森林関連セクターに関する改定が何ら行われなかったことは大きな懸念である。これらのセクターも含め、パリ協定と整合する具体的な指標と中長期目標の速やかな設定が求められる。
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