日本:在日韓国・朝鮮人、地域社会、サプライチェーンにおけるライツホルダーなどの視点から見た重要課題に十分な注意が払われていないことが国連ビジネスと人権作業部会の訪問で明らかになったと分析
[Business and human rights in Japan: Rights holders’ perspectives] 2023年10月24日
[英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
大阪経済法科大学の菅原絵美氏は、日本のビジネスと人権問題を、ライツホルダーの視点から考えた優先課題に焦点を当てて考察した。
国連ビジネスと人権作業部会の声明は、女性、LGBTQ+の人々、障害者、先住民族、被差別部落、労働組合、技能実習生、移民労働者、子供や若者など、少数派のステークホルダーとしての観点から問題を再検討する必要性を強調した。
[...]
作業部会の声明で十分に取り上げられていなかった日本における重要な問題の一つは、在日韓国・朝鮮人に対する人権侵害である。
[...]
現在も在日韓国・朝鮮人に対する差別や暴力は深刻で、雇用や職場における差別や嫌がらせ、ヘイトスピーチやヘイトクライムが続いている。
[...]
二つ目に、日本では消費者や地域社会の人権など、下流への影響にほとんど注意が払われておらず、人権や環境に焦点が十分当てられていない。
[…]
三つ目は、サプライチェーンにおけるライツホルダーを尊重する企業の責任に関して。指導原則には、企業は企業活動だけでなくサプライチェーン全体においても人権を尊重する責任があると明記されている。
[...]
作業部会は、日本の市民社会がこれらの深刻な懸念に応えて国内人権機関を求めていると指摘した。
[...]
国家レベルで政府から独立した機関である国内人権機関は、責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)や、ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)のような取り組みが生まれているとはいえ、ビジネスと人権の問題の救済策として必要とされている。