レポート
新調査:原材料セクターの自主的な基準は人権デューディリジェンスの実施手段として不適切であると指摘
[An Examination of Industry Standards in the Raw Materials Sector], 2022年9月5日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
原材料の採取に関する産業界の自主基準その他の取組は、企業によるデューディリジェンスの義務遂行を可能にする手段として、近年、ますます定着してきている。しかし、現行の基準には、システム、内容、および方法論の面で、いくつもの不備がある。本報告書は、原材料セクターの各種基準について、その方法論の強靭性を評価する初めての試みである。第一段階として、私たちは原材料基準における方法論の要件を定義した。次いで、調査対象とした各基準が、これらの要件をどの程度満たしているかを分析した。
調査の結果、デューディリジェンスの義務を遂行する上での産業界の取組の貢献度には、かなりばらつきがあることが確認された。またこうした取組だけでは目的を達成できないことも示唆された。本調査は、デューディリジェンスの義務を遂行するために複数の手段の一つとして業界基準を活用する場合に、最低基準を定める上でまず参照できる資料を提供するものである。