[Press Statement on the New Delhi G20 Leaders' Declaration] 2023年9月11日

[英文和訳：ビジネスと人権リソースセンター]

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2022年バリ首脳宣言と比較すると、今回のG20首脳宣言は、持続可能な開発目標（SDGs）、ジェンダー平等、女性の社会的地位向上、人工知能問題を含むデジタル技術といった分野について、より包括的な内容となっている。

このような華々しい宣言文とは裏腹に、差し迫った地球規模の危機に対する実質的な分析と具体的な解決策を提供するには至っていない。深刻化する社会的、経済的、政治的、生態学的不平等、気候変動や生物多様性の脅威などの危機は、G20諸国のみならず、とりわけ経済的、生態学的な外的影響を非常に受けやすい発展途上国や紛争中のG20以外の国々にも、広範囲に影響を及ぼしている。

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2023年8月23日から24日にかけて開催された20カ国・地域首脳会議（G20サミット）のニューデリー宣言において、私たちはG20首脳に対し、既存の政治的・経済的枠組みを再構築する上で、断固とした団結力を発揮するよう強く要請した。

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G20首脳宣言は、新自由主義的な市場経済とGDPを中心とした経済の枠組みを根本的に考え直すことを怠っている。また、環境の持続可能性、包括的な人間開発、人類の安全保障、積極的平和、ジェンダー平等、社会正義に根ざした新たな指針を模索するための具体的な取り組みについては、ほとんど言及されていない。

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首脳宣言の公約のリストが広範囲であることは評価に値する一方で、その実質的な有効性については疑問視せざるを得ない。こうした疑念は、具体的で期限付きの行動計画が欠如していること、そして実施状況を評価する独立した説明責任と監視メカニズムが確立されていないことに起因する。

経済発展における民間部門の役割が、これまでは過度に強調されてきた。私たちは、政府の政策や国連をはじめとする多国間組織に対して、企業が持つ影響力の可能性を懸念している。さらに、EUやAUのG20諸国が継続的に実施している、グローバル・バリュー・チェーンのためのデューディリジェンス法や、ビジネスと人権に関する拘束力のある条約の交渉などについて、首脳宣言が言及していないことも注目すべき点である。

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エンゲージメント・グループやCSO（市民社会組織）の献身的な努力にもかかわらず、首脳宣言にはCSOの提示した政策提言がほぼ反映されていないことを私たちは深く憂慮している。さらに、交渉プロセスにおいて、人権に基づく市民社会および労働組合運動へのアクセスを否定している点も問題である。

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首脳宣言には、移民、先住民、ダリットをはじめとする社会的・民族的マイノリティ、障害者、小規模農民など、社会的弱者や社会から疎外された人々の権利やニーズに対応するための具体的な政策が欠けている。そのため、「誰一人取り残さない」という原則は実質的に実現されなかったと言っても過言ではない。

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