["I Will Do Anything to Stay Here"- What a Just Energy Transition Means to Communities at Risk from Bauxite Mining in Guinea] 2025年11月24日

[非公式英文和訳：ビジネスと人権リソースセンター]

2025年11月24日、ギニアでのボーキサイト採掘拡大によってリスクにさらされる地域社会の実態と公正なエネルギー移行のあり方を検証した報告書『ここに残るためなら、私は何でもする ― ギニアのボーキサイト採掘の脅威にさらされる地域社会にとって公正なエネルギー移行が意味するもの』が公表された。

ギニアは世界のボーキサイトの22％を供給しており、この採掘事業はギニア政府の歳入に何十億ドルもの資金をもたらしてきた。[...] ギニアのボーキサイト（アルミニウムの原料）産業は、ギニア・ボーキサイト会社（CBG：Compagnie des bauxites de Guinée）を含む、少数の多国籍企業によって支配されている。[...]

CBGは、米国のアルミ大手Alcoa、英豪資源大手Rio Tinto、ドイツにも関連企業を持つ民間企業Dadco、そしてギニア政府による合弁企業である。[...]

CBGの採掘権が認められた区域は約3,000平方キロメートルで、これはルクセンブルク全土より広い。会社はこれまでにそのおよそ4分の1の範囲で採掘を行ってきたが、その結果、地域住民の生活や自然環境に深刻な被害が生じている。ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、CBGは住民の合意なく農地を収用し、水源を汚染し、地域の生計手段に長期的な損害を与えてきたという。

CBGが採掘した土地のうち、再生（植生復元などの土地修復）が行われたのは約10％に過ぎず、これは業界で望ましいとされる水準を大きく下回る。[...] その結果、農業や家畜飼育に利用できない広大な“死の土地”が残されている。また、露天掘りからの排水によって川や泉が汚染され、人々や農作物、家畜が頼る水源が危機にさらされている。[...]こうした状況にもかかわらず、影響を受けた住民がCBGの巨額事業から得た具体的な利益はほとんどなく、広範な不満と、時に暴動に至る抗議が発生している。[...]

そして今、再生可能エネルギーの拡大に伴うアルミ需要の増加を背景に、CBGは未開発で手つかずの景観が残るコゴン川北側の地域に目を向け始めている。最近では、CBGのロゴを付けたトラックの車列が未舗装道路を走り回り、企業担当者が村を訪問し、探査掘削の噂が流れるなど、同社が採掘拡大の準備を進めていることを示す動きが相次いでいる。同社は、世界の再エネ移行の需要に応えるためには、年間のボーキサイト生産量を現在より3分の1ほど増やす必要があると見積もっている。[...]

ギニアのコゴン川北部の住民は、採掘が始まれば生活が大きく変わることを理解している。しかし、具体的にどのような影響があるのか――自分たちの村、家族、生活様式がどう変わるのか――を予測するのは難しい状況だ。[...]

一部の住民は、川の南側で採掘によって生活が一変した友人や親族から聞いた経験をもとに、最悪の事態を予想している。[...]

ある住民によれば、CBGの担当者が村を訪れ、ボーキサイト探査に向けて彼の所有地や樹木などの調査・記録を行ったという。最近、その住民は、探査区域内にある自身のカシューナッツの木のうち数本が記載されたラミネート加工のカードを手渡された。これらの木々は今後伐採される可能性が高く、企業側からは補償金が支払われると説明されたという。

包摂的開発を推進する国際NGO「インクルーシブ・ディベロップメント・インターナショナル」は、CBGとその株主・融資機関、さらに本報告書に関連するサプライチェーン上の企業に対し、質問を記載したメールを送り、報告書の内容に関するコメントの機会を提供した。各社からの回答は全文をこちらで確認できる。[...]

（質問・コメント要請を送った企業には以下が含まれる：ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ナティクシス、ING銀行、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、GM、フォード、トヨタ、ポルシェ、Hellenic Cables、Bayards Aluminium Solutions、METLEN）