ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟:新報告書、金融機関はネット・ゼロの約束後にも化石燃料開発に数十億ドルを投資していることを明らかに
[Throwing fuel on the fire: GFANZ members provide billions in finance for fossil fuel expansion], 2023年1月17日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)に加盟してネット・ゼロを約束した後も、HSBCやLGIMなどの金融機関は化石燃料企業に何千億ドルも資金提供していることがNGOグループが公開した最新報告書により判明した。[...]世界経済フォーラムのためにダボスでビジネスと金融のトップが集まる中、NGOはGFANZの各業界団体に対し、加盟企業が地球温度上昇1.5度以下の目標達成に向けて2050年までにネットゼロを達成するという公約の実現に真剣に取り組んでいるのであれば、化石燃料の拡大支援を停止するよう要請を呼びかけている。[...]
[報告書では次のことが判明した。]
- ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)に加盟する最大手銀行56行は、同盟加盟以来、134件の融資と215件の引受取引を通じて、102社の主要化石燃料開発企業に2700億米ドルの資金提供を行なった。
- ネット・ゼロ・アセット・マネージャーズ・イニシアティブ(NZAM)の最大手メンバー58社は、2022年9月現在、化石燃料開発大手201社の株式や債券を少なくとも8,470億米ドル保有している。
- GFANZ加盟以降、新たな化石燃料プロジェクトや化石燃料供給プロジェクトを開発する企業への融資を実質的に制限する方針を採用した金融機関は、ごく一部に限られている。[...]
世界規模の化石燃料開発企業のうち229社が、本報告書で取り上げた161のGFANZ加盟企業から融資を受けていることになる。これらの融資は、石炭発電所、鉱山、港湾、その他のインフラ、新たな油田やガス田、パイプライン、LNG基地などの開発を支援するものである。これらの新たな化石燃料プロジェクトは、地球温度上昇を1.5度以下に抑えるという目標とは相容れないものである。[...]