パレスチナ被占領地(OPT)/イスラエル:米国の制裁を受け、YouTubeがパレスチナ人権団体のチャンネルを削除;イスラエルによる人権侵害を記録した動画700本以上が消去される
[YouTube Quietly Erased More Than 700 Videos Documenting Israeli Human Rights Violations] 2025年11月4日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
イスラエルのガザでのジェノサイドを生き延びた母親たちを追ったドキュメンタリー、パレスチナ系米国人ジャーナリスト殺害への関与を検証する調査映像、そしてヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人家屋破壊を記録した動画。
YouTube は2025年10月初旬、事前通告なしで、これらの動画を投稿していたアカウントをチャンネルのアーカイブごとすべて削除した。消されたのは、パレスチナの主要な人権団体である以下の3団体のアカウントである。
- Al-Haq(アル・ハク)
- Al Mezan Center for Human Rights(アル・メザン人権センター)
- Palestinian Centre for Human Rights(PCHR、パレスチナ人権センター)
これらの団体は、ガザおよび西岸地区でのイスラエル政府による国際法違反や民間人殺害の疑いを記録した何時間もの映像をYouTubeで公開していた。[...]
国際刑事裁判所(ICC)はイスラエルのネタニヤフ首相と元国防相ヨアヴ・ガラントに対し、ガザでの戦争犯罪容疑で逮捕状を発行した。これを受け、トランプ政権はイスラエル擁護を強め、ICC関係者や協力団体への制裁キャンペーンを開始した。その一環として、米国務省は2025年9月、上記3団体を制裁対象に指定した。理由は、これらの団体がICCと協力し、イスラエル政府高官の戦争犯罪を訴追する案件に関わっていたためである。[...]
YouTubeは、この制裁を受けて社内審査を行い、「制裁指定に従い、3団体のアカウントを削除した」ことを米調査報道メディア『The Intercept』に認めている。
米国の人権団体である憲法権利センター(Center for Constitutional Rights)の上級弁護士、キャサリン・ギャラガー氏は「YouTube がトランプ政権の政治的な思惑に加担し、人権侵害や戦争犯罪の証拠を人々の目から消し去ろうとしているのは、まさに言語道断だ」と今回のYouTubeの対応を強く批判した。さらに、「議会は、大統領が米国民や世界に向けた情報の流れを遮断することを認める意図はなかった。むしろ、大統領が ICC 制裁の根拠として引用した法律では、文書や動画などの“情報”は制裁の対象外と明確に定められている」として、制裁の法的根拠についても疑問を呈した。
YouTubeの広報担当者であるブート・ブルウィンクル氏は声明で「Googleは、適用される制裁および貿易関連法令の遵守に取り組んでいる」と述べた。[...]
アル=メザンは[...]『The Intercept』に対し、同団体のYouTubeチャンネルが事前通告なしに今年10月7日に突然停止されたと説明した。
[...] アル=ハックのチャンネルも10月3日に削除されたが、YouTubeからは「コンテンツがガイドラインに違反した」という通知だけが残されていたという。[...]
ガザで最も古い人権団体と国連が位置づけるパレスチナ人権センター(PCHR)は声明で、YouTubeの措置は「加害者を責任追及から守る行為だ」と強く批判した。[...]
この3つの人権団体のアカウント削除により、合計700本以上の動画が消滅したことになる。[...]
またアル=ハックの広報担当者によれば、メール配信サービスのMailchimpも9月、同団体のアカウントを削除したという。(Mailchimpおよび親会社Intuitはコメント要請に応じていない。[...]