中国:スマートフォン大手シャオミの電気自動車「SU7」による死亡事故で、自動運転技術とEV安全性への懸念が広がる
[Fatal Xiaomi SU7 crash kills three: Crash timeline, collision details, company statement] 2025年4月6日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
中国安徽省銅陵市付近の徳上高速道路(G0321)において、中国スマートフォン大手の小米 (シャオミ)の電気自動車「SU7スタンダードモデル」による重大事故が発生し、女子大学生3名が死亡した。本件は、シャオミが発表した初のEVモデルが関与した初の死亡事故として報告されたものであり、自動運転技術と電気自動車の安全性をめぐる懸念を引き起こしている。
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事故の詳細はSNSを中心に情報が拡散しており、特に被害者の母親が中国版TikTok「抖音(ドウイン)」に投稿した動画では、事故後に車両ドアが自動でロックされ、乗員が閉じ込められた状態で車が炎上したと主張されている。これに対してシャオミは、ドアの機能に関する情報の確認は現時点ではできていないと説明しつつ、非常時用のロック解除ボタンが車内に存在すると強調している。ただし、そのボタンが当該状況で有効に機能したかについては不明であるという。[...]
シャオミは3月30日に調査チームを立ち上げ、翌31日には事故に関連する車両データを警察当局に提出した。同社のCEOである雷軍(Lei Jun)氏は、この事故に深い遺憾の意を表明するとともに、遺族への支援と情報開示の徹底を約束している。
またシャオミは、事故直後に専門の対応チームを編成し、3月30日には現場を訪問、3月31日には警察に車両データを正式に提出したと説明している。なお、同社は事故車両を直接確認する許可をまだ得ておらず、「車両が北京に移送された」といった噂を否定している。[...] 事故後の車両火災の原因については、現在も調査中であるが、シャオミ側は「バッテリーではなく車内のキャビン部分から出火した可能性が高い」との見解を示している。さらに、自動緊急ブレーキ(AEB)が作動しなかった点については、「本件の障害物が「水充填バリア」(道路の安全確保のために設置される水の入ったプラスチック製の障害物)であり、現時点のAEBシステムの検知対象に含まれていなかった」と説明した。
捜査の継続と今後の焦点
現在、警察による正式な調査が継続中であり、路面状況、運転者の操作、車両のシステムなど多角的な観点から原因が検証されている。本事故は、自動運転技術の信頼性、緊急時の安全機能、そして電気自動車を使用する際の運転者教育のあり方に対する根本的な問いを突きつけている。