日本:新調査、中小企業の8割が「ビジネスと人権」を重要と認識する一方、方針策定はわずか9.1%と報告
[〈2025年度第1回 中小企業経営実態調査〉人権方針を策定している中小企業は9.1%のみ重要性を認識している企業は8割超。人権意識と取り組み状況に大きなギャップ] 2025年10月2日
【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】
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【調査結果サマリー】
①8割以上が「ビジネスと人権」を重要と認識する一方、方針を策定している企業はわずか9.1%
人権配慮の必要性は広く理解されているものの、実際の制度整備には大きなギャップが存在
大企業に求められる対応は、中小企業にも求められてゆく
②人権対応の課題は「専門知識やノウハウを持つ人材がいない」(36.6%)と 「他の経営課題が優先されている」(34.6%)が上位 経営資源の制約により後回しにされやすい実態が浮き彫りに
一方で「対応ノウハウがない」という声も多く、外部知見の活用や支援制度の導入が今後の鍵となる
③人権への取り組みにより5割(56.8%)が「社員の満足度・定着率向上」を実感
職場環境の改善や離職防止など具体的な効果が見られる
人権対応は「コスト」ではなく「人材活用の投資」として、働きやすさと企業成長の両立に寄与
【アンケート概要】
・調査主体:フォーバル GDXリサーチ研究所
・調査期間:2025年7月8日~2025年8月8日
・調査対象者 :全国の中小企業経営者
・調査方法:ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数:932人
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本レポートでは、中小企業の人的資本対応、とりわけ「人権」への理解と対応状況を調査しました。 「ビジネスと人権」の認知度は27.3%にとどまりましたが、重要と考える企業は8割を超え、意識と実践の間にギャップがあることが明らかになりました。 取り組みを行う企業は約6割でしたが、「人権方針の策定」は15.0%、「従業員研修」は8.0%にとどまりました。背景には業務の優先や人材不足などの要因があると考えられます。[...]平良 学(たいら・まなぶ)、フォーバル GDXリサーチ研究所所長