環境保護団体「フォロー・ディス」、投資家の反発を受け石油企業への株主提案を一時停止へ
[Green activist group is pausing work after backlash by investors] 2025年4月10日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
気候変動対策に対する投資家の反発が高まる中、環境保護に取り組む株主活動団体が、石油企業に対して排出量削減を働きかける活動を「一時停止」する決断を下した。
これを受け、オランダの環境保護団体のフォロー・ディス(Follow This)は、2016年以降初めて、株主総会において石油・ガス企業に対する気候変動決議を提出しない方針だ。
オランダを拠点とし近年最も成功を収めた団体のひとつとされている同団体は、大多数の機関投資家が気候提案への支持を撤回している理由として、「政治情勢の変化」および「気候意識に配慮する投資家への反発」を挙げている。
同団体は、米国の複数の州が気候変動対策を支持する大手投資家に対して法的措置を取っていることや、米国の規制当局が気候関連投資の情報開示規則を撤回したことなどが、こうした傾向の主要因であると指摘している。[...]
同団体は、こうした課題に加え、世界的な貿易を取り巻く緊張感が投資家たちを「気候変動への対応をどのように進めるべきか不透明に感じさせている」と述べた。
フォロー・ディスの創設者であるマーク・ファン・バール氏は次のように語っている。 「株主提案は、5つの大手石油企業に対して排出削減目標を設定させる上で重要な役割を果たしてきたが、大半の機関投資家は自らの投票権を行使することに消極的である」
同氏はまた、団体としての使命は変わらず、投資家たちがなぜ株主としての権利を使って企業に変革を求めないのか、その理由を理解するための対話を継続すると述べた。
フォロー・ディスは石油会社の少数株を保有することで、パリ協定で提唱された脱炭素化目標に沿った活動を行うよう企業に求める株主提案を行ってきた。
同団体の最も顕著な成功例は、米国の石油大手シェブロン社の取締役会に対して排出削減を求めた株主提案であり、2021年の総会では株主の60%の支持を得た。
「2021年、私たちは広範な支持を得られる可能性を感じた」「しかし、石油大手にクリーンエネルギーへの大規模な投資を行わせるためには、投資家の圧力を高める必要がある」とファン・バール氏は言う。
一方でその後数年間、同団体の提案に対する支持率は20%と横ばい状態である。[...]