英国:北海ローズバンク油田の開発許可への異議申し立てに対し、英国政府は法的な対抗措置をとらないことを決定
[Rosebank and Jackdaw: Government to drop legal defence of UK's largest untapped oil and gas fields] 2024年8月29日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
ローズバンク油田は、シェトランド諸島の西80マイルにある英領北海に位置し、約3億バレルの石油が埋蔵された英国最大級の新規石油・ガス開発プロジェクトである。この油田は、現在物議を醸しているカンボ油田の2倍の規模である。
[2023年9月に英国政府はローズバンク油田の開発計画を承認したが、]環境保護団体であるグリーンピースとUpliftは、この開発が気候への影響を十分に評価していないとして司法審査を要求している。
さらに環境団体は、これはノルウェーの国営企業エクイノール社が輸出用の石油を産出するプロジェクトであり、英国のエネルギー安全保障には貢献せず、エネルギー料金の引き下げにもつながらないと主張している。
今回、英国政府は、環境団体がこのプロジェクトを阻止するために提起した異議申し立てに対し、法的な対抗措置を講じないことを決定した。
また、[石油大手シェル社が計画している] 英領北海のジャックドーのガス田についても、環境保護団体の異議申し立てに対して争わない姿勢を示した。
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グリーンピースの英国気候チームリーダー、メル・エヴァンス氏は「これらの開発計画は、気候への影響がきちんと評価されないまま承認されるべきではなかったし、今年初めの最高裁による判断に基づき、政府が譲歩するのは当然の判断だ」と述べ、今回の政府の決定を正しい判断だと評価した。
一方、エクイノール社は「現在、この発表の影響を評価中であり、プロジェクトを進めるためにすべての関係者と緊密に連携していく」と述べ、さらに「ローズバンクは英国にとって重要なプロジェクトであり、投資、雇用創出、エネルギー安全保障の面で恩恵をもたらすものだ」と強調した。
シェル社の広報担当者は「ジャックドーのガス田は、140万世帯の暖房を提供しており、他の老朽化したガス田で生産が終了していくなかで、英国のエネルギー安全保障を支える重要なプロジェクトだと考えている」と述べ、政府の発表の影響を慎重に検討していることを明らかにした。