韓国:市民社会組織、モザンビークLNG事業への公的融資差し止めを求め提訴
[Mozambican civil society sues Korean export institutions for fueling LNG project] 2025年5月29日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
[...] モザンビークの市民社会団体「JA!(Justiça Ambiental!)」と韓国の若手気候活動家らが、韓国の公的輸出信用機関である韓国輸出入銀行(KEXIM)および韓国貿易保険公社(K-SURE)に対し、歴史的ともいえる訴訟を提起した。この訴訟は、両機関によるモザンビーク北部の洋上液化天然ガス(FLNG)事業「コーラル・ノース」への最終投資決定および融資を差し止めることを目的としている。
両機関は、モザンビークで「コーラル・ノース」と対のプロジェクト「コーラル・サウス」に対し、既に約18億ドル(約2,800億円)の融資を行っている。そして現在、コーラル・ノースに対しても、さらに19億ドル(約3,000億円)規模の追加融資・保証を検討中であると報じられている。この金融契約は2025年前半に最終決定される見込みであり、韓国国内では海外の化石燃料拡大事業に再び公的資金が投入されることへの懸念が広がっている。
コーラル・ノースは年間350万トンの液化天然ガス(LNG)を生産する計画である。[...]
原告らは、本プロジェクトへのいかなる資金提供も、以下の点で違法・不当であると主張している:
- 韓国憲法および関連法への違反していること
- 地球規模および地域レベルでの環境権を脅かすこと
- 気候に対する不可逆的な被害をもたらすにもかかわらず、正当な公共の利益が認められないこと
原告らは、このプロジェクトがもたらす深刻な環境・社会的影響が、韓国およびモザンビーク市民の「環境権」を侵害していると主張している。韓国憲法は、すべての国民に「健康で快適な環境で生きる権利」を保障しており、この権利を守る義務は国家と国民がともに負うとされている。したがって、公的機関であるKEXIMとK-SUREには、気候危機を深刻化させるプロジェクトに資金を提供しない責任がある、というのが原告側の主張の核心である。
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