التقرير
バングラデシュ:「ラナプラザ」後も続く低価格競争のなか、縫製工場の搾取的労働が今も続いている
ラナプラザ・ビル倒壊事故から1年経過した後も、バングラデシュの労働者の置かれた人権状況は深刻なままである。
国際的アパレル産業の行うコンプライアンス・チェックは、縫製工場労働者の置かれた劣悪な状況にメスを入れて抜本的に改善するには遠く及ばない。その陰に、サプライチェーンに関する自社の国際的な信用を落とさないためにコンプライアンスのチェックはするものの、人間らしい労働環境を確保するための必要な資金・資源を投下せず、低価格競争をいまなお生産現場に押し付けるアパレル産業の姿勢があることを指摘せざるを得ない。 また、労働法規その他の法規制の遵守が進んでいないため、縫製工場や革製品製造プロセスにおける労働者の劣悪な状況が放置されており、労働者の権利に責任を負うべき政府の監督懈怠の責任は重大である。
人権が保障されない環境のもとで製造された商品は世界各国に輸出され、低価格がゆえに価格商品として販売され、購入されている。
(報告書本文より)