テキサス州のキャタピラー社が製造し、イスラエル軍がガザの地上侵攻の「先鋒」に使用している装甲ブルドーザーに対する懸念が生じている。2023年10月、ガザ南部の家屋をD9Rブルドーザーによる破壊から守ろうとして圧死した平和活動家の故レイチェル・コリーさんの父親は、ブルドーザーを兵器と呼び、その使用に対する恐怖を表明した。

2023年12月16日、ガザのNGOと独立ジャーナリストからの報告によると、イスラエル軍はガザ北部ベイトラヒア地区にあるカマル・アドワン病院を9日間連続で全面包囲した後、病院の外で負傷したパレスチナ民間人を生き埋めにした疑いがある。NGOのEuro-Med Human Rights Monitor は、9日間にわたる包囲とパレスチナ民間人を轢くためにブルドーザーが使用されたという報告について国際調査を要求した。

キャタピラーは、これらの報道や申し立てに対して回答しなかった。

キャタピラー社のD9ブルドーザーは、2008年から2009年のガザへの軍事侵攻での使用や、ガザとヨルダン川西岸のパレスチナ人の住宅破壊での使用により、長い物議を醸した歴史がある。住宅破壊にブルドーザーが使用されたとの疑惑に対する2012年の回答の中で、キャタピラー社は1976年税制改革法と輸出管理法という2つの米国法に基づく厳格な反ボイコット要件を強調した。同社は、「これらの法律は、米国および米国関連企業が米国政府によって認可されていないボイコットの支援や参加を阻止することを目的としている。米国の反ボイコット法違反に対する罰則は厳しい場合があり、重大な民事罰および刑事罰、将来の輸出特権の禁止や税制上の優遇措置の拒否が含まれる可能性がある」と述べた。

キャタピラー社は、イスラエル政府および軍に対する重大な人権侵害の申し立てがあるにもかかわらず、イスラエル政府および軍との活動を継続していることを理由に、「ボイコット、投資撤収、制裁」運動による売却や、人権NGOの批判の対象となっている。