2023年6月、ガーディアン紙とThe Bureau of Investigative Journalism（TBIJ）の共同調査により、ケニアにあるデルモンテのパイナップル農園において、警備員による深刻な暴力の疑惑が浮上した。このパイナップル農園の面積は約40平方キロメートルで、農園内には公道が走っている。警備員たちは、デルモンテの土地に侵入したと思われる人々に過剰な力を行使し、残忍な暴行や殺害を行なったとして起訴された。被害者とみられる人々の一部は、デルモンテの土地を通る公道や付近を移動中、警備員らに無差別に暴行されたと証言している。デルモンテ農園はケニア産農産物の世界最大輸出業者であり、テスコ、ウェイトローズ、セインズベリー、アズダ、オカド、モリソンズをはじめとする英国の大手スーパーマーケットにパイナップルを供給している。

フレッシュ・デルモンテの広報担当者はガーディアン紙にこう語った。 「我々はこの問題を深刻に受け止め、全面的かつ緊急な調査を開始した。これらの事件で指摘されている行為は、フレッシュ・デルモンテの人権に対する長年のコミットメントと、すべての個人の尊厳を尊重することを確実にするために同社が設けている包括的な方針や規定に違反しているのは明白である。（中略）人権専門コンサルタント会社による独立したレビューによるサポートを受け、引き続き積極的な調査を進める予定である。我々は、ジョン・ルイ・カリア氏の死に関する調査を含め、ケニア当局の調査を引き続き全面的に支援する。同社は、すべての事業において最高の国際人権基準を遵守するために、事業活動の改善に常に取り組んでいる。」

テスコの広報担当者は以下のコメントを出した。 「デルモンテのケニア・ティカ農場でこのような問題が発生したニュースに衝撃を受けている。この事件を受けて、疑惑に関する徹底的かつ信ぴょう性のある調査が行われるまでの間、当該農場で生産されたデルモンテのフルーツの販売を直ちに停止にすることを決定した。（中略）いかなる形態の人権侵害も容認できないことは明らかであり、我々はサプライヤーに対して、サプライチェーンで働くすべての人の生活を守るだけでなく、彼らが事業を行う地域社会の人権を尊重することを要求する。」

ウェイトローズは、すべてのサプライヤーが自社の厳格な倫理基準を遵守することを求めるとともに、デルモンテがどのような行動をとってきたかを明らかにするため、デルモンテと緊密に連絡を取り合っていると述べた。また、デルモンテがこの疑惑に対して独立した調査を実施することを歓迎している。

ビジネスと人権リソースセンターは残りの企業にも回答を求めた。セインズベリー、アスダ、モリソンズからの回答は以下の通り。オカド社は英国小売業協会（British Retail Consortium：BRC）のコメントを引用した。

BRCのサステナビリティポリシー・アドバイザーであるソフィー・デ・サリス氏は以下の声明を発表した。「我々は、デルモンテがこれらの犯罪の背景をより深く掘り下げ、労働慣行の改善を常に約束するために、悲惨な疑惑に対する調査を行ったことを歓迎している。サプライチェーンにおける労働者の福祉保護と地域社会の尊重は加盟企業の購買慣行の基本であり、我々が定める厳しい基準を満たさない慣行は、いかなる場合も容認されない。」

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