スペイン:裁判所、2000人以上のアマゾンのフリーランス配達ドライバーは正規雇用されるべきであったと判決
[Spanish court: Amazon violated labor law with delivery app], 2023年2月3日
[ 英文和訳:ビジネスと人権リソースセンター]
スペインの裁判所はアマゾン社に対して労働法に違反しているとの判決を下した。アマゾンは2000人以上の配達ドライバーを対象に、仕事のスケジュール管理や給与の支払いを同社が管理するアプリを通じて行うよう強制し、勤務には配達者自身の車や携帯電話を使用するよう命じていた。
マドリードの労働裁判所の判決によると、アマゾンはAmazon Flexアプリを利用する労働者を自営業者として扱うことができないという。なぜなら、同社のスペイン子会社がサービスに関するすべての決定、実行条件、報酬の設定、労働の曜日・時間・期間の決定権限を持つことを前提としているためである。
アマゾンは2021年、スペインでのFlexアプリの使用を中止した。[...]
アマゾンは以前から、Flexは自社の配達サービスではなく、スペインで働くフリーランスの配達員とクライアントを仲介するプラットフォームであることを主張してきた。
同社は声明で「裁判所の判決を尊重するが、同意しかねるので控訴する予定である」と述べ、複数の配送業者と提携していることを説明した。
さらに、「2018年から2021年にかけてAmazon Flexプログラムを通じて一部のフリーランサーと連携していたことは事実であるが、その数はスペインで配達される荷物のごく一部に過ぎない」と付け加えた。
今回の判決はスペインにおける一連の法的措置の最新版であり、電子商取引や配送アプリの企業側が、労働時間や収入をコントロールしにくい労働者を自営業者と定めることを阻止するためのものである。
スペイン社会党連立政権は2021年に「ライダー法」を成立させ、フードデリバリーの配達員を彼らが働くデジタルプラットフォームの従業員と位置付けた。
この訴訟を支持したスペインのUGT(スペイン労働総同盟)は「アプリを使った新しい働き方に対する是正措置として、法律がまた一歩前進した」と述べた。
今回の判決は、バルセロナに拠点を置くフードデリバリーアプリ「Glovo」が配達員を自営業者として違法に扱っているとした2020年のスペイン最高裁判決を引き合いに出したものである。