2020年6月、18カ国にある44の市民社会組織が、バングラデシュのマタバリに建設される第二石炭発電所への資金提供を中止するよう日本政府に求める要請書を提出した。このプロジェクトは、日本政府と住友商事が出資している。要請書では、マタバリの第一石炭発電所の建設に関連して、環境悪化、地元コミュニティの生計喪失、第一石炭発電所の建設により再定住した人々への補償の欠如、新型コロナウイルスにおける建設労働者の人権否定など、人権上の悪影響があったとの疑いを強調している。住友商事からの見解は以下の通り。

2021年11月24日、グローバルと日本の環境NGO5団体（FoE Japan、FoE US、JACSES、Market Forces、Mighty Earth）は、米国証券取引委員会（SEC）に、国際協力機構（JICA）が発行した「グリーンウォッシュ」債券に関する調査を求める異議申立てを提出した。申立てによると、JICAは米国市場で発行された債券について、石炭火力発電事業に充当しないとしているが、実際には、バングラデシュの石炭火力発電所に資金が流れる可能性が高いとのことだ。NGOの代理人であるKevin Galbraith氏は、政府機関を目論見書の『不正記載』対象としてSECに申し立てる初の事例であると述べた。また、同氏は、SECの2021年9月のガイダンスが、気候リスクについて信頼性の高い完全な情報開示を、発行体の声明が投資家をミスリードしないようにする企業に課していることから、気候リスクの開示に関するさらなる申立てが予想されることを示した。

同日、外務大臣は、JICAがこの疑いを否定したと述べた。