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記事

2026年6月4日

著者:
fDi Intelligence

ブラジル:TikTokの大型データセンター計画を巡り、データガバナンス、環境影響、先住民族の権利への懸念が広がる

[TikTok’s massive data centre in Brazil raises concerns] 2026年6月4日

[非公式英文和訳:ビジネスと人権センター]

中国のByteDanceが運営するSNS大手TikTokが、ブラジル北部セアラ州で進めているデータセンター開発計画を巡り、懸念が広がっている。同州は干ばつが頻発し、ブラジル国内でも特に貧しい地域の一つに数えられる。計画には、水資源の使用、地域の先住民族の権利侵害、データセキュリティといった複数の論点が絡んでいる。[...]

TikTokは2025年12月、セアラ州の輸出加工区「ZPEセアラ」に、中南米初となるデータセンター・キャンパスを建設する計画を発表した。2035年までに最大2,000億レアル(約405億ドル)を投資するという。[...]

事業はデータセンター運営会社オムニアが開発を担い、資産運用会社パトリア・インベストメンツが出資する。オムニアは5月18日、再生可能エネルギー開発会社カーザ・ドス・ヴェントスと20億ドル規模の契約を締結し、セアラ州と隣接するピアウイ州の風力発電所から当初300メガワットの電力供給を受けることになった。

オムニアの広報担当者は、外国直接投資専門メディアfDiに対し、電子メールで「セアラ州のデータセンターは予定通り建設が進んでおり、2027年に初期運用を開始する」と述べた。[...]

近年、世界各国でデータセンターの建設が急増しており、それに伴って地域社会からの反発も相次いでいる。セアラ州のケースも同様で、活動家や研究者からは、ただでさえ水資源が乏しいこの地域でデータセンターが大量の水と電力を消費すること、先住民族コミュニティとの協議が不十分であること、データセキュリティ上のリスクなどが問題視されている。[...]

これに対しオムニアは、同事業について「閉ループ冷却システムを採用し、水消費量を抑えて稼働できるよう設計されている」と説明している。最大需要時でも水使用量は1日30立方メートル未満にとどまる見込みで、地域の水供給と競合することはないとしている。[...]

このデータセンターは、ZPEセアラの規制枠組みに基づき、輸出志向型のデジタルインフラとして開発が進められている。TikTok BrazilはfDiへの声明で、施設のサービス対象は外部市場向けに限られると説明した。具体的には、提供されるのはTikTokアプリ向けのサービスのみで、ByteDanceの他の製品やAIの学習処理には使用されないという。ブラジル、米国、欧州、中国向けにサービスを提供することもないとしている。

TikTok Brazilはさらに、ブラジルのデータ保護法(LGPD)をはじめとする現地の関連規制で該当するものを順守し、セキュリティ、ガバナンス、データ保護に関する国際基準にも従っていると述べた。

[...]ただし技術専門家のあいだでは、外国企業が所有・運営するデジタルインフラの内部でデータがどのように扱われているかを、立地国の政府がどこまで把握し規制できるのかという疑問も呈されている。施設が自国内にあっても、システムの管理権限が外国企業に握られていれば、当局の監督が及びにくくなるためだ。[...]

今回オムニアに電力を供給するカーザ・ドス・ヴェントスは、ブラジル最大級の再生可能エネルギー開発会社で、フランスのトタルエナジーズが一部出資している。同社は、世界各国でデータセンターの電力確保が課題となるなか、豊富なクリーン電源を持つブラジルには他国に対する優位性があり、今後もこうした事業の受け皿になり得るとの見方を示している。[...]

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