2023年3月、BBCは、男性向けタレント事務所「ジャニーズ事務所」を設立し、2019年に87歳で死去したばかりのジャニー喜多川氏に対する性的搾取疑惑を暴露した。

BBCの報道によると、アイドルを目指す多くの少年たちがジャニーズ事務所のシステムを利用し、喜多川氏は監視の目を通さず、彼らを支配していたという。

ある被害者はハヤシという仮名で、喜多川氏から受けた性的被害を語っている。1999年、ある有名週刊誌が、10代の頃に性的虐待を受けたというJ-POPアイドル志望者の証言に関する記事を掲載した際にも、同様の話が浮上した。

このような証言があるにもかかわらず、この疑惑が世間に広く認知されることはなかった。おそらく、日本のマスコミと「喜多川帝国」との間の共依存関係が原因と指摘されている。マスコミ各社は、ジャニーズ事務所に所属するタレントとの接点を、収入と宣伝のために頼りにしていたため、ジャニーズ事務所や所属アイドルについて否定的な報道をしたがらなかったとされている。

2000年、喜多川氏とジャニーズ事務所は同雑誌を名誉毀損で訴えたが、最終的に東京高裁は主張のほとんどが事実であるとし、喜多川氏が所属事務所内で未成年者に性的虐待を行っていたことを認める判決を下した。しかし、この判決はさらなる沈黙に包まれ、名誉毀損事件は刑事裁判に発展しなかった。

BBCの報道後、ジャニーズ事務所は疑惑を調査しなかったとして、ファンや被害者とされる人々から批判にさらされた。また、日本のメディア各社がこの問題を「無視」し、沈黙を守っていることも批判された。

2023年5月、喜多川氏の姪である藤島ジュリー景子現社長は、同社の公式サイトで公開されたビデオで被害者に謝罪した。しかし、彼女は個々の被害の内容が本当かどうかを認めることはせず、当時は叔父の行為を知らなかったと主張した。藤島氏はまた、社内の「コンプライアンス委員会」が調査を行い、独立した調査はないと述べた。

この問題は、国連ビジネスと人権作業部会が2023年7月24日から8月4日まで日本を初めて公式訪問する上で、アジェンダの一つとして取り上げられることになった。共同通信によると、作業部会は関係者への聞き取り調査を行う予定だという。