2023年12月、ニューヨーク・タイムズは、民間の監査法人が米国の複数の大手食品サプライチェーンで起きている移民の児童労働を見つけられなかったと報じた。

記事は、監査法人が、時期尚早な行動、不十分な滞在期間、未成年者が働く工場を調査していないことなどを含む要因から、児童労働を見つけることができない疑いがあると主張している。また、児童が偽造文書を使用する可能性を考慮すると、監査法人が労働者への詳細な面談ではなく文書に依存していることで、児童労働発見に繋がらないことも強調している。

監査人は、報酬を支払って監査を依頼している企業、監査を審査する企業、サプライヤー自体からの圧力により、労働者の権利侵害を記録するのに苦労していると主張している。例えば、社会的責任監査を提供するULソリューションズの監査人は、ウォルグリーンのサプライヤーを虐待的な労働条件であると指摘した後、是正計画の対象になったと述べた。

記事では、移民の子供たちは次のような状態だったと主張している。

• ウォルグリーンのサプライヤーであるモノグラム・ミート・スナックスのサプライチェーンで働いている
• マクドナルドやコストコに供給する工場に清掃サービスを提供するパッカーズ・サニテーション・サービスで働いてる
• チックフィレイに供給するミシシッピ州の食肉処理場で働いている
• ベビーフード会社ガーバーに供給しているスナック食品工場のハースサイド・フード・ソリューションズ、スターバーストとスキットルズのキャンディーのメーカー（マース・フード・サービス）、オレオのメーカー（モンデリーズ・インターナショナル）、チーズイッツのメーカー（ケラノバ）で働いている
• コストコ、マクドナルド、ネスレ、セーフウェイに供給する牛乳加工業者ダリゴールドで働いている。記事は、企業が工業農場の2次以降のサプライヤーにおける児童労働を発見できていないことを強調している

上記は、サプライチェーンの発注元である親会社が実施した監査で児童労働を検出できていなかった例。記事は、監査法人の報告書が年齢確認に関連する問題を指摘していることも強調している。ウォルグリーンで働く監査人によると、サプライヤーの労働者の年齢を確認する方法がないことが分かった。この工場はシスコ、ヘフティ、ウォルマートにも製品を供給しており、この工場が利用していた人材派遣会社は現在、児童就労法違反の疑いで捜査を受けていると言われている。

コストコ、ダリゴールド、ガーバー、ケラノバ、マース・フード・サービス、マクドナルド、ハースサイド・フード・ソリューションズ、ヘフティ、モンデリーズ・インターナショナル、モノグラム・ミート・スナック、ネスレ、パッカーズ・サニテーション・サービス、セーフウェイ、シスコ、ULソリューションズ、ウォルグリーンズがジャーナリストのコメント要請に応じた。

2024年1月、ビジネスと人権リソースセンターは、チックフィレイ、コストコ、ダリゴールド、ガーバー、ケラノバ、マース・フード・サービス、マクドナルド、モンデリーズ・インターナショナル、モノグラム・ミート・スナック、ネスレ、パッカーズ・サニテーション・サービス、レイノルズ・コンシューマー・プロダクツ (ヘフティ)、セーフウェイ(アルバートソンズの一部)、シスコ、ULソリューションズ、ウォルグリーンズおよびウォルマートに本件への見解を求めた。

私たちはさらに、サプライヤーで児童労働が発見されたチックフィレイ、コストコ、ダリゴールド、ガーバー、ケラノバ、マース・フード・サービス、マクドナルド、モンデリーズ・インターナショナル、ネスレ、セーフウェイ(アルバートソンズの一部)、ウォルグリーンズに、報告された虐待について調査し労働者を救済するためにとった措置や、サプライヤーと契約を結ぶ前や労働条件を監視する際に実施した人権デューディリジェンスを開示することを求めた。

私たちはまた、社会監査法人であるULソリューションズに対し、米国の工場での監査を通じて児童労働を検出するために講じている手順を開示するよう要請しました。

ダリゴールド、ガーバー、ハースサイド・フード・ソリューションズ、ケラノバ、マクドナルド、ネスレ、パッカーズ・サニテーション・サービス、レイノルズ・コンシューマー・プロダクツ (ヘフティ)、セーフウェイ(アルバートソンズの一部)、ULソリューションズ、ウォルグリーンズの回答は以下の通り。 チックフィレイ、コストコ、マーズ・フード・サービス、モンデリーズ・インターナショナル、モノグラム・ミート・スナック、シスコ、ウォルマートは回答しなかった。