記事
EU:新たな市民社会ガイド、オムニバス第1弾改正後のCSDDD国内法制化のあり方を提示
[Turning the CSDDD into Action: a Guide for National Transposition] 2026年9月8日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権センター]
企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)は、大企業に対してサプライチェーン全体における人や環境への悪影響を調査し、確認された問題に対処することを義務付けている。しかし、その内容は市民社会が求めてきたものがそのまま実現したわけではない。加盟国による国内法化が始まる前の段階で、政治・企業からの圧力によって、重要な規定が弱められたためだ。それでも、人権や環境への悪影響と闘うための法的手段として活用する価値は十分に残されている。
現在、EU加盟国ではCSDDDの国内法化が進められている。その内容次第で、企業活動の被害を受けた労働者や地域社会が実際に司法にアクセスし、補償を受けられる制度になるのか、それとも被害者に不利な状況が温存されるのかが決まる。
今回の指針は欧州企業正義連合(European Coalition for Corporate Justice)、Anti-Slavery International、Frank Boldの3団体が策定したもので、CSDDDを野心的かつ実効的に国内法化するため、加盟国に対して以下の優先事項を提言している。
- 実効的かつ継続的なデューディリジェンス:デューディリジェンスを「一度実施すれば終わり」の形式的な手続きではなく、継続的なプロセスとして位置付ける。
- 民事責任と司法へのアクセス:企業によって被害を受けた人々が企業の責任を追及し、補償を受けられる仕組みを整える。
- 独立した監督当局と十分なリソースの確保:執行機関が実際に調査・措置を講じるための専門的能力、人員、権限を付与する。
- 実質的なステークホルダー・エンゲージメント:労働者や影響を受ける地域社会との協議を、単なる形式にとどめず、実効性のある形で義務付ける。
- 実効性のある気候移行計画:書類上の対応にとどまらず、実際の排出削減につながる計画の策定・実施を企業に義務付ける。
- 国際基準との整合:国内法を「OECD多国籍企業行動指針」や「ビジネスと人権に関する国連指導原則」など既存の国際的合意に沿ったものとする。