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提言

国家への提言

  • 人権を促進・擁護・保護する権利、およびその権利を行使する人びとを守る法制度を整備すること。市民社会スペースの開放性、持続可能な開発、健全な環境の実現における人権擁護者の不可欠な役割を、法制度の中に明確に位置づけること。これには、先住民族およびアフリカ系の人びとの固有の権利を法的に認めることも含まれる(詳細はこちら)。
  • 人権擁護者を犯罪者扱いする法律や慣行、資金へのアクセスを妨げる制度、表現・集会・結社の自由を不当に制限する措置を廃止し、市民社会の構成員が安全に、尊重されながら活動できる環境を確保すること。
  • 人権擁護者およびそのコミュニティを包括的に保護し、個人としても集団としても活動を継続できるよう、必要なあらゆる措置を講じること。
  • パリ協定を完全に履行するとともに、市民的自由および人権擁護者の権利を保護する主要な国際的・地域的枠組みに加入すること。すでに批准している場合は、それらを確実に実施すること。特に、気候・環境に関する意思決定への実質的な市民参加を保障することが不可欠であり、これは気候変動の緩和・適応計画および公正なエネルギー移行計画の中核要素として位置づけられるべきである。
  • 企業をはじめとする非国家主体が、人権、とりわけ人権擁護者の権利を侵害しないよう、必要なあらゆる措置を講じること。これには、「ビジネスと人権に関する国連指導原則(UNGPs)」に基づく責任ある企業活動に関する国内法制度の整備、およびその策定過程のすべての段階における人権擁護者との協議が含まれる。こうした法制度は、企業に対し、人権擁護者や、潜在的または直接的に影響を受けるライツホルダーとの継続的かつ安全で実効的な協議を義務づけるものでなければならない。また、人権擁護者に関する国連作業部会の指針とも整合している必要がある(詳細はこちら)。
  • 致死的および非致死的攻撃に関するデータを体系的に収集・報告し、より効果的な保護メカニズムの構築に活用すること。また、企業がスラップ訴訟によって人権擁護者の発言を封じることを防ぐため、反スラップ法を制定すること(詳細はこちら)。
  • 権利侵害が生じた場合には実効的な救済が受けられるよう確保すること。具体的には、法制度および司法制度を強化して加害者が罰せられない状況を終わらせるとともに、人権擁護者への報復行為に関与した企業の責任を追及し、攻撃の加害者に対する調査・訴追を積極的に進めること。
  • ビジネスと人権に関する拘束力ある国連条約の採択に向けた交渉に、積極的かつ建設的に関与すること。また、その条約において、人権擁護者が直面するリスクと、人権を擁護する権利が明確に認められるよう確保すること。

企業への提言

  • 人権擁護者が果たす重要な役割を認識し、人権デューディリジェンスのすべての段階において、人権擁護者との実効的な関与・協議を確保すること。また、自社の事業活動、サプライチェーン、取引関係全体において、報復行為を一切容認しないことを明記した全社的な公開方針を策定・実施すること。
  • 人権擁護者に関する国連作業部会の指針、および進捗モニタリング指標に関する市民社会の意見を踏まえ、明確な実施ガイドラインと行動計画を策定することで、方針を具体的な実践へと落とし込むこと。
  • 人権および環境に関するデューディリジェンスを実施し、その結果を公表すること。その際、人権擁護者に対するリスクを統合的に評価し、対処すること。特に、ジェンダー、人種、民族、障害、その他のアイデンティティを理由に社会的に脆弱な立場に置かれている人権擁護者が直面する、固有かつ複合的なリスクを認識することが求められる。
  • 先住民族の人権擁護者が直面する深刻かつ不均衡なリスクを認識し、対応すること。また、先住民族の権利を尊重するコミットメントを策定・公開・実施すること。その基盤には、土地・領域・資源に関する自己決定権、および「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)」の権利が含まれる。これには、同意を得るためのプロセスを先住民族自身が定義する権利や、同意を拒否する権利も含まれる(詳細はこちら)。
  • 自社が引き起こした、または助長した人権擁護者への悪影響について、是正に取り組むことを公に約束すること。また、サプライヤーと協働して、自社の事業・製品・サービスに直接関連する影響の是正にも努めること。そのために、安全で実効的かつアクセスしやすい苦情処理・説明責任メカニズムを整備し、十分な資源を充てること。このメカニズムは、UNGPsに準拠し、人権擁護者や内部告発者を保護し、第三者からの苦情に対応し、適切なフォローアップと救済を提供するものでなければならない。さらに、国連作業部会のジェンダーに関する指針に従い、女性やジェンダー多様な人権擁護者が実効的に救済へアクセスできるよう確保すること。
  • 人権擁護者には人権を守る権利があり、彼らが人権デューディリジェンスにおける不可欠なパートナーであることを公に認めること。また、人権擁護者は、企業がUNGPsに基づく責任を果たすうえで重要な協力者であることを明確にすること。
  • 市民社会スペースを制限したり、企業による人権侵害や環境破壊に対する責任追及を弱めたりするようなロビー活動、政治献金、その他あらゆる直接的・間接的な影響力行使を行わないこと。

投資家への提言

  • 人権擁護者が、企業活動に関連する人権リスクを特定するうえで重要な役割を担っていることを認識し、人権擁護者への攻撃を一切容認しないことを明記した人権方針を公表すること。あわせて、この方針に含まれる期待事項を投資先企業に明確に伝えること。具体的には、投資先企業に対し、以下を求めること。
    • 人権および環境に関するリスクを開示すること。
    • 上記の提言に沿って、報復を容認しない方針(ゼロトレランス方針)および関連プロセスを策定し、人権擁護者の権利を尊重すること。また、ライツホルダーおよび人権擁護者との継続的な対話と協議を実施すること。
    • 先住民族の権利、とりわけ土地の権利およびFPICを尊重すること。また、先住民族の人権擁護者が直面する深刻で不均衡なリスクを認識し、対応すること。
    • 被害が発生した場合には、実効的な救済へのアクセスを確保すること。
  • 投資前に、人権擁護者へのリスクおよびジェンダーの視点を全体に組み込んだ人権・環境デューディリジェンスを実施すること。また、投資先候補について、過去に報復行為、市民的自由を制限する行為、またはそのような影響力の行使に関与していなかったかを精査すること。これには、ライツホルダーとの協議が含まれ、人権擁護者の権利が尊重されていたかどうかについて、企業の自己開示のみに依拠してはならない。先住民族のFPICが尊重されていたかについても、同様に確認すること。
  • 人権侵害や環境破壊、または人権擁護者への報復に関与してきた企業への投資を避けること。これには、スラップ訴訟への関与も含まれる。
  • 人権侵害や環境への悪影響、人権擁護者への攻撃を引き起こしている、助長している、または直接関連している投資先企業に対し、積極的に影響力を行使すること。それにより、当該企業が負の影響を軽減し、影響を受けた人びとに救済へのアクセスを提供するよう促すこと。