米国:労組結成を阻むために組合つぶしを専門とする法律事務所やコンサルタントと契約している企業に対する非難の声
アメリカの事業所において、労働者による労働組合結成の動きを阻止するために、オーグルツリーディーキンズ(Ogletree Deakins) やリトラーメンデルソン(Littler Mendelson)、ジャクソンルイス(Jackson Lewis)といった組合つぶしを専門とする法律事務所やコンサルタントと契約を結んでいる多国籍企業に対する批判の声が高まっている。コーネル大学労働教育研究所(Labour Education Research)のケイト・ブロンフェンブレンナー氏(Kate Bronfenbrenner)によれば、企業がそれらの取り組みに費やす金額は年間3億400万ドルに上っている。
これらの法律事務所やコンサルタントは、労働組合結成の可能性を防ぐための監視や組合加入を阻止するための社内宣伝、または強制参加のミーティングといった脅しなどの手段を用いるよう企業にアドバイスしているという。
フォルクスワーゲン、イケア、グーグル、アマゾン、日産、デルタ航空、ライト・エイド(Rite Aid)、HCAヘルスケアなどが、これらの方法を採用しているといわれている。労働者団体は、基本的人権である労働者の結社の自由を妨害しているとこれらの企業を批判している。また、ヨーロッパ企業は、アメリカ連邦労働法の不備に付け込み、ヨーロッパではできないような形で労働者の権利行使を妨害していると非難されている。
イケア、グーグル、日産、ライト・エイド、およびデルタ航空による声明は以下の記事に掲載されている。2020年9月、ビジネスと人権リソースセンターは、アマゾン、フォルクスワーゲン、HCAヘルスケア、オーグルツリーディーキンズ、リトラーメンデルソン、およびジャクソンルイスに対して回答を求めた。アマゾンおよびフォルクスワーゲンによる回答も以下の記事に掲載されている。HCAヘルスケア、オーグルツリーディーキンズ、リトラーメンデルソン、およびジャクソンルイスからの回答は得られなかった。